あたしの交友関係は佐倉しかいないと思われてんだろうか。
ここは名誉挽回のために、佐倉の他にも友達はいるんだよってことを伝えた方が良いな。
「あのね絢くん、あたしは別に佐倉しか友達がいないとかそういうわけではない…」
「あのさ、柚璃」
「ん、はい?」
遮られた言葉に首を傾げる。
いつの間にやら絢くんの顔が近くまで来ていて、思わず息を呑んだ。
あたしを見る目がやけにキラキラしているような気がしてごくりと唾を飲み込む。
なんだこのただならぬ雰囲気は。
「あのさ、俺…」
「アンタ達早く帰りなさいよー…
ってあら、ごめんお取り込み中ね」
ひょこりと顔を出した店長は、
あたしたちを見るなりそそくさとどこかへ去っていった。
そりゃそうだ。
あと10センチも近づけば、口が触れてしまいそうな距離で顔を近づけている、そんな体勢だ。
弾かれたように絢くんから離れて、バクバクと大きな音を立てる胸をぎゅっと服の上から抑える。
あたしは何、高校生に動揺してんだ。

