「すみませーん」 「あ、はーい!」 お客さんが呼んでる。 足を踏み出した瞬間、ぐるりと後ろを振り向かせられていた。 「な、何…びっくりしたぁ」 「……何?」 「いや何って…絢くんがあたしのこと引っ張ったんじゃん、なんか用事?」 「いや…別に…」 妙に歯切れの悪い言葉。 自分であたしのこと引っ張っておいて、 訳がわからないという表情をしている。 なんか用事があった訳じゃないのか。 「ごめん、手離して?お客さん呼んでるから」 「あー…悪い」