またあの女がきたら?

あたしがいない時に、刃物でも振り回されたら?


自分の考えにゾッとする。

防犯ブザーでも持たせようかしら。




「あーあー…こんなしっかり傷になって…」

「ちょっと瑛ちゃん、なにどさくさに紛れて頬触ってんのよ
触り方がいやらしいのよ」

「高校生の男の子ってさ、防犯ブザーとか持されるの嫌かな?」

「…なんの話?」


佐倉に好き勝手頬を触られながら、頭の中は絢くんの防犯のことでいっぱいだった。