…なんかこうしてると、
絢くんと結婚したみたい。
そんなことを考えていたら、自然と頬に熱が集まっていく。
「柚璃?」
「…あ、ごめん。なんか言った?」
「…なんで顔赤ぇの」
めざとい絢くんに指摘されて、ごまかすように笑った。
「いやね?絢くんと、結婚とかしたらこんな感じなのかなーって
そう思ったらにやけちゃって」
「…………」
「…絢くん?」
ふぅ、とため息をついた絢くんは、がばりとあたしに覆いかぶさった。
子どもごと抱きしめられるような形になってしまって目を泳がせる。
「絢くん…?ここ外なんだけど…
公園なんだけど…」
「なんでまたそういう、可愛い事言うんだよ」
「か、可愛くはないでしょ」
不意に身体を離されたと思ったら、整った顔が視界に広がった。
少し顔を傾けた絢くんの顔がどんどん近づいて、
目を閉じた瞬間。
「ックシュン!!!!」
可愛らしいくしゃみの声に身体が跳ねる。
慌てて抱いていた子どもを見ると、鼻水を垂らして唸っていた。
さすがに3月といえど、冷えてきた。
「帰ろっか」
なんとなく、さっきまでの雰囲気が照れ臭くて。
ゆっくりと立ち上がって公園を後にした。

