どさりと下されたソファの上、
あたしの顔を挟むようにして手を置いて見下ろしてくる絢くんの顔を見つめる。

長いまつ毛も整った鼻筋も、形のいい小さめの口も。


高校生のときの絢くんの面影をしっかり残していて、可愛くて笑った。


「なんでこの状況で笑うんだよ」

眉を寄せた絢くんがちょっとだけ睨んでくる。
そんな顔すら愛おしい、なんて思う。


あたしはどうかしてる。



「絢くん、大好きだよ」

「………んー…煽るのやめてもらっていいですかー?」


どこか余裕の無さそうな目のまま、照れ臭そうに笑った絢くんの顔を引き寄せて、


耳元でもう一度“大好き”と伝えた。




●終わり●