あたしの言葉に一瞬泣きそうに顔をくしゃりと歪めて、
ゆっくりとあたしの肩に顔を埋めた。



「…セリちゃんから電話きて話聞いた時、まじで生きた心地しなかった」

「びっくりしたよね?ごめんね」

「柚璃が謝ることじゃねえって」



肩に顔を埋めたまま話す絢くんが今どんな顔をしているのかは分からない。

なんとなく、あたしも真似して少し下にある肩におでこを預けた。


薄いとばかり思っていた肩は想像よりずっと広くて分厚くて、やっぱり男の人なんだと思った。


「……柚璃、好き」

「…っ、ん?」

「すげぇ好きなんだよ、今までの言動とか態度とか、最悪だったからさ俺
信じられないのは分かるけどこれだけは本当だから、分かって」


懇願するような声に胸がぎゅーっと締め付けられる。
いつのまにか腰に回った腕に引き寄せられて、絢くんとの距離はゼロになった。



「好きだ」

言い聞かせるようにもう一度言った絢くんの言葉に、もう限界だった。