高校生だよ?


そうだよ、絢くんは高校生だ。
冷静になれ、と自分に言い聞かせてももう遅い。


絢くんが好きだと
あたしの心が叫んでいた。


「絢く、」

「好きだ」



ピタリと時が止まった。


耳元で囁かれた言葉はちゃんと届いたはずなのに、フリーズした頭では理解が追いつかなかったようで。


「ごめん、なんて?」

「…まじかよ
もう一回言わせる気?」

少しだけ身体を離して上目遣いで睨んできた絢くんの顔は真っ赤だった。


好きだ、って

好きってこと?


あたしのことを好きってこと?



「柚璃のこと、好き」


その言葉を聞いた瞬間、腰が抜けてへなへなと座り込んだ。