ぽつりと取り残されたあたしの顔を覗き込んだヨルくんがぶは、と吹き出す。
「なんて顔してんの」
「え、あたし変な顔してた?」
「子犬みたいな顔してた」
「…はぁ?」
「留守番させられてる子犬みたいな」
いってる意味がわからないけど、とりあえず誉められていないということはよく分かった。
というか、覗き込んできたヨルくんの顔が近い。
前髪が触れそうな距離に思わず肩をすくめた。
「ちょ、近い
あたしまだヨルくんのこと信用してるわけじゃないから」
「あー、そうだっけ?絢くんはそうかなって思ってたけどゆりちゃんにまで信用なかったとはなぁ」
悲しい〜、なんて口で言いながらヘラヘラ笑うヨルくんは全くもって悲しそうには見えない。
ていうか、今ヨルくんと2人きりだ。
あのことを聞くのは今しかない気がする。
「…ヨルくん
ちょっと聞いていい?」
「んー?何を?」
「お姉さんのこと
前に言ってたじゃない?」
その一瞬、絢くんの表情がピタリと止まった気がした。
こちらを向いたままの黒い目は何も映っていないんじゃないかと思うくらい真っ黒で、
なんだか怖い。

