「ねーおねーさん!大学生ですかー?」
「大人っぽいですねー!俺らとお茶でも付き合ってくれませんか?」
不意に後ろから聞こえた声に振り返ると、
いつの間にやら男子高校生たちに囲まれている絵菜の姿があった。
満更でもなさそうな顔で、「コイツと一緒でいいならいいけどぉー?」なんて言いながら佐倉の腕を取る。
「ちょ、なんで俺なんだよふざけんなよ」
「黙ってな、ボディーガードだっつの」
「お兄さんもー?…まあいいかあ、いこいこー!」
あっという間に消えてしまった絵菜はあたしの方を見向きもせず。
名残惜しそうに何度もあたしの方を振り返る佐倉はずるずると引きずられるように消えていった。
「ゆりちゃんの友達わりと薄情だね…
あっさりゆりちゃん置いてっちゃったよ」
「女の友情なんてそんなもんよ…」
ヨルくんが気の毒そうな顔をしていたけど、
絵菜はこういう奴なんだ。
ぽつんと取り残されたあたしを見下ろして、絢くんが何か言おうとした時。
「ちょっと絢くん!どこいってたの、みんな探してたよ?
…………あれ?この人この前の…」
甲高い声に顔を上げると、耳の上で長い髪をツインテールにしたメイド美女が立っていた。
つり目気味の大きな目に長い手足。
この子、夏祭りで見たあの子だ。

