【楓 side】 風菜が水無瀬くんと道で喋っていたとき、冷や汗が出た。 ふたりとも、楽しそうに見えたから。 水無瀬くんが風菜の腕を掴んだとき、僕は無意識に風菜を後ろから抱きしめた。 不安だった。 もしかしたら、風菜は水無瀬くんのところへ行くかもしれない。 それが嫌で怖かった。