「あぁ、いらっしゃい。」
「おじゃましま~す!先生、引っ越しのお手伝いに来ました!手伝うことはありますか?」
私は思いっきり笑顔を作りながらスニーカーを脱いで部屋に入った。部屋の中は窓を開けているのもあって前回来た時よりも煙草臭はそれほど感じなかった。荷物をいくらか整理をしたのか散らかり放題だった畳の上はすっきりしていて、大きなスポーツバックが2つ置いてあった。壁の隅には漫画雑誌が5冊程積み重なっていた。灰皿の中にあった大量の煙草の吸殻はキレイに取り除かれており、いっぱいあったゴミたちは大きなビニール袋に一つにまとめられていた。部屋に備え付けのヒーターの上にはシャンプーの容器と入浴用のウォッシュタオルが置いてあった。
「先生これは?」
私はヒーターの上に置いてあるシャンプーの容器を指さした。
「あぁ、これね。風呂場にずっと置いていて濡れていたから乾かすのに置いたんだよ。ここに置いておくと渇くのが早いからね。」
石家先生は変わらず爽やかな笑顔で答えた。
「先生、あと荷物は?どれかカバンに入れるものありますか?」
私は部屋中を見渡しながら聞いた。
「あぁ、服はカバンに詰め込んだかな。参考書は車に詰め込んだ。あとすることは掃除かな。」
石家先生も周りを見渡しながら言った。
「じゃあ、私掃除手伝います!掃除機はありますか?」
私はピーコートを脱いでポシェットと一緒に部屋の壁際に置き、セーターの袖をまくった。
「いいの?いやぁ何だかわるいなぁ~。」
「いいんですよ!大丈夫!そのため来たんですから!掃除機はどこにありますか?」
私は少し強引な感じに部屋の中を歩いて掃除機を探した。
「あぁ、わるいねぇ。えっと……掃除機はここにあるかな。」
石家先生は私のやや強引な態度に押される感じで押し入れの扉を開けて掃除機を出した。掃除機は旧式のもので本体は赤色だがかなり色あせていてプラスチックカバーに少しひび割れが見られており使い古した感じだった。
「先生、これ自宅から持ってきたものですか?」
私は掃除機のノズルを持ちながら石家先生に聞いた。
「いや、もともと部屋に置いてあったものだよ。前にこの部屋に住んでいた人が置いて行ったんだろうね。」
石家先生は掃除機を見ながら言った。私は掃除機のプラグを持って電気コードを伸ばしてコンセントに接続した。ノズルにある手元スイッチを押すと「ブゥオオオオ」と勢いよく音が鳴った。私は壁際からゆっくりと掃除機をかけた。石家先生はスポーツバックを一つ片手に持ち、もう片手にはゴミ袋を持って外に出た。私は集中して部屋の中の床に掃除機をかけた。部屋の隅の畳には綿埃が多く積もっており掃除機は勢いよくガーっと吸い上げた。
「先生~掃除終わりましたぁ~。掃除機は押し入れに戻して良いですか?」
5~10分程度部屋中を掃除機をかけて埃を取り、部屋から戻ってきた石家先生に向かって私は掃除機のノズルを持ちながら聞いた。
「うん、ありがとう。」
石家先生は爽やかな微笑みをこちらへ向けながら言ってきた。私はコンセントからプラグを外して電気コードを巻き戻し、掃除機を押し入れに入れた。
「先生はここを何時ごろ出発するんですか?」
私は石家先生の顔を覗き込むように見ながら聞いた。
「う~んそうだなぁ……病棟に行って挨拶をしてから、昼過ぎには出発するかな。」
石家先生は腕時計を見ながら言った。ヒーターの上に置いてあったシャンプーボトルとウォッシュタオルはほぼ乾いていた。
「もう乾いたかな。」
石家先生はヒーターの電源を消してシャンプーボトルとウォッシュタオルをそのままもう一つのスポーツバックに詰め込んだ。
「これで荷物は片付いた。これから病棟に行ってちょっと挨拶をしてくるよ。」
「はい。」
「戻ったら近くでお昼でも食べに行こうか。」
「はい!行きましょう!」
私は手をグッと握って小さくガッツポーズをした。
(待ってました!一緒にお昼!)
「じゃあ、この荷物を車に積んでから行ってくる。すぐに戻ってくるから。」
石家先生は赤いダウンジャケットを羽織り、残りのスポーツバックを肩にかけ、爽やかな笑顔でドアを開けて外へ出た。先生のいない空き部屋に残された私は掃除したての畳に寝転んで時間つぶしに壁際に置いてある少年漫画雑誌を読み漁っていた。
「おじゃましま~す!先生、引っ越しのお手伝いに来ました!手伝うことはありますか?」
私は思いっきり笑顔を作りながらスニーカーを脱いで部屋に入った。部屋の中は窓を開けているのもあって前回来た時よりも煙草臭はそれほど感じなかった。荷物をいくらか整理をしたのか散らかり放題だった畳の上はすっきりしていて、大きなスポーツバックが2つ置いてあった。壁の隅には漫画雑誌が5冊程積み重なっていた。灰皿の中にあった大量の煙草の吸殻はキレイに取り除かれており、いっぱいあったゴミたちは大きなビニール袋に一つにまとめられていた。部屋に備え付けのヒーターの上にはシャンプーの容器と入浴用のウォッシュタオルが置いてあった。
「先生これは?」
私はヒーターの上に置いてあるシャンプーの容器を指さした。
「あぁ、これね。風呂場にずっと置いていて濡れていたから乾かすのに置いたんだよ。ここに置いておくと渇くのが早いからね。」
石家先生は変わらず爽やかな笑顔で答えた。
「先生、あと荷物は?どれかカバンに入れるものありますか?」
私は部屋中を見渡しながら聞いた。
「あぁ、服はカバンに詰め込んだかな。参考書は車に詰め込んだ。あとすることは掃除かな。」
石家先生も周りを見渡しながら言った。
「じゃあ、私掃除手伝います!掃除機はありますか?」
私はピーコートを脱いでポシェットと一緒に部屋の壁際に置き、セーターの袖をまくった。
「いいの?いやぁ何だかわるいなぁ~。」
「いいんですよ!大丈夫!そのため来たんですから!掃除機はどこにありますか?」
私は少し強引な感じに部屋の中を歩いて掃除機を探した。
「あぁ、わるいねぇ。えっと……掃除機はここにあるかな。」
石家先生は私のやや強引な態度に押される感じで押し入れの扉を開けて掃除機を出した。掃除機は旧式のもので本体は赤色だがかなり色あせていてプラスチックカバーに少しひび割れが見られており使い古した感じだった。
「先生、これ自宅から持ってきたものですか?」
私は掃除機のノズルを持ちながら石家先生に聞いた。
「いや、もともと部屋に置いてあったものだよ。前にこの部屋に住んでいた人が置いて行ったんだろうね。」
石家先生は掃除機を見ながら言った。私は掃除機のプラグを持って電気コードを伸ばしてコンセントに接続した。ノズルにある手元スイッチを押すと「ブゥオオオオ」と勢いよく音が鳴った。私は壁際からゆっくりと掃除機をかけた。石家先生はスポーツバックを一つ片手に持ち、もう片手にはゴミ袋を持って外に出た。私は集中して部屋の中の床に掃除機をかけた。部屋の隅の畳には綿埃が多く積もっており掃除機は勢いよくガーっと吸い上げた。
「先生~掃除終わりましたぁ~。掃除機は押し入れに戻して良いですか?」
5~10分程度部屋中を掃除機をかけて埃を取り、部屋から戻ってきた石家先生に向かって私は掃除機のノズルを持ちながら聞いた。
「うん、ありがとう。」
石家先生は爽やかな微笑みをこちらへ向けながら言ってきた。私はコンセントからプラグを外して電気コードを巻き戻し、掃除機を押し入れに入れた。
「先生はここを何時ごろ出発するんですか?」
私は石家先生の顔を覗き込むように見ながら聞いた。
「う~んそうだなぁ……病棟に行って挨拶をしてから、昼過ぎには出発するかな。」
石家先生は腕時計を見ながら言った。ヒーターの上に置いてあったシャンプーボトルとウォッシュタオルはほぼ乾いていた。
「もう乾いたかな。」
石家先生はヒーターの電源を消してシャンプーボトルとウォッシュタオルをそのままもう一つのスポーツバックに詰め込んだ。
「これで荷物は片付いた。これから病棟に行ってちょっと挨拶をしてくるよ。」
「はい。」
「戻ったら近くでお昼でも食べに行こうか。」
「はい!行きましょう!」
私は手をグッと握って小さくガッツポーズをした。
(待ってました!一緒にお昼!)
「じゃあ、この荷物を車に積んでから行ってくる。すぐに戻ってくるから。」
石家先生は赤いダウンジャケットを羽織り、残りのスポーツバックを肩にかけ、爽やかな笑顔でドアを開けて外へ出た。先生のいない空き部屋に残された私は掃除したての畳に寝転んで時間つぶしに壁際に置いてある少年漫画雑誌を読み漁っていた。
