石家先生との素敵な再会を果たしてから1週間が経過した。
「先生にお礼のお手紙を書いてみようかな……」
自室でふとそう思った私は、机の引き出しから薄ピンク色の手紙セットとメモ帳、筆記用具を取り出した。そして机に向かって手紙の下書きを書き始めた。
「あーこれじゃあ、表現がダメだよなぁ~……こんなのじゃあ可愛く思われないよなぁ……」
私は独り言をブツクサと呟きながらメモ用紙が黒くなるまで何度もの下書きをした。小・中学、高校と国語の成績が劇的に悪かったことが響いた。あまりにも文才のなさに落ち込みつつ、石家先生へ、自分はいかに女性らしくて良い子かと思われるようにと考えて考えて、メモ用紙に下書きをしては消してを繰り返し、2時間近くかけてやっと正書まで至った。
『拝啓、石家先生。お元気ですか?相変わらずお仕事は大変ですか?あのとき先生と再会できたこと、とても嬉しく、ステキな思い出として私の心の中で大切に残っています。あれから私は病棟の勤務にがんばって取り組んでいます。この間は初めて準夜勤で産科部屋を担当しました。とても怖かったけど、山田さんたちがフォローをしてくれたおかげで無事に務めることができました。一つ一つ勤務で自分ができることが増えてきてとても学びになっています。あと最近は家でお料理をいっぱい作っています。おかげで肉じゃがが得意料理になりました。いつか先生に作ってあげたいなと思っています。病棟のスタッフは主任をはじめみんな元気に勤務に励んでおります。石家先生がいなくなったので、喜屋武先生や沼尻先生もみんなさみしいと言っています。
先生が戻ってくれると病棟はとても助かるし、明るくなるかなと思っています。
この間、夜勤の帰りにあまりに夜空の星がキレイに輝いていたのでつい見とれてしまい、あのとき先生のお部屋から見た夜景を思い出して涙が出てしまいました。私はキレイなものを見るとつい感動して涙が出てしまうのです。素敵な夜空を先生と一緒に眺めたいなと思っています。
また連絡しますね。先生、お元気でお体に気を付けてお仕事がんばってくださいね。』
「これでよしと……」
私は書いた手紙を4つに折り畳み、小さな花柄の薄ピンクの封筒に入れた。封筒に石家先生の住所を書いて切手を貼った。手紙の内容の半分以上はカッコつけたくて嘘の内容になってしまった。最近お料理をいっぱいなんて作っていないし、むしろ家事なんて仕事で疲れたことを理由にしていない。肉じゃがは一度しか作っておらず得意料理ではない。夜勤の帰りに星空をまともに見てはおらず、きれいなものを見て涙を流すことなんてほとんどない。そんな嘘っぱちなことをよく書けたもんだなとしみじみ思うが、とにかく石家先生に良く思われたいという一心で書いたのだった。翌日、私は仕事帰りに病院前にある郵便ポストへ封筒を投函した。
「先生のもとへ届きますように。」
郵便ポストに向かって両手を合わせて小さな声でぶつぶつと祈った。
手紙を投函して1週間・2週間以上経過をしても、石家先生からは何の返事もなかった。
「先生にお礼のお手紙を書いてみようかな……」
自室でふとそう思った私は、机の引き出しから薄ピンク色の手紙セットとメモ帳、筆記用具を取り出した。そして机に向かって手紙の下書きを書き始めた。
「あーこれじゃあ、表現がダメだよなぁ~……こんなのじゃあ可愛く思われないよなぁ……」
私は独り言をブツクサと呟きながらメモ用紙が黒くなるまで何度もの下書きをした。小・中学、高校と国語の成績が劇的に悪かったことが響いた。あまりにも文才のなさに落ち込みつつ、石家先生へ、自分はいかに女性らしくて良い子かと思われるようにと考えて考えて、メモ用紙に下書きをしては消してを繰り返し、2時間近くかけてやっと正書まで至った。
『拝啓、石家先生。お元気ですか?相変わらずお仕事は大変ですか?あのとき先生と再会できたこと、とても嬉しく、ステキな思い出として私の心の中で大切に残っています。あれから私は病棟の勤務にがんばって取り組んでいます。この間は初めて準夜勤で産科部屋を担当しました。とても怖かったけど、山田さんたちがフォローをしてくれたおかげで無事に務めることができました。一つ一つ勤務で自分ができることが増えてきてとても学びになっています。あと最近は家でお料理をいっぱい作っています。おかげで肉じゃがが得意料理になりました。いつか先生に作ってあげたいなと思っています。病棟のスタッフは主任をはじめみんな元気に勤務に励んでおります。石家先生がいなくなったので、喜屋武先生や沼尻先生もみんなさみしいと言っています。
先生が戻ってくれると病棟はとても助かるし、明るくなるかなと思っています。
この間、夜勤の帰りにあまりに夜空の星がキレイに輝いていたのでつい見とれてしまい、あのとき先生のお部屋から見た夜景を思い出して涙が出てしまいました。私はキレイなものを見るとつい感動して涙が出てしまうのです。素敵な夜空を先生と一緒に眺めたいなと思っています。
また連絡しますね。先生、お元気でお体に気を付けてお仕事がんばってくださいね。』
「これでよしと……」
私は書いた手紙を4つに折り畳み、小さな花柄の薄ピンクの封筒に入れた。封筒に石家先生の住所を書いて切手を貼った。手紙の内容の半分以上はカッコつけたくて嘘の内容になってしまった。最近お料理をいっぱいなんて作っていないし、むしろ家事なんて仕事で疲れたことを理由にしていない。肉じゃがは一度しか作っておらず得意料理ではない。夜勤の帰りに星空をまともに見てはおらず、きれいなものを見て涙を流すことなんてほとんどない。そんな嘘っぱちなことをよく書けたもんだなとしみじみ思うが、とにかく石家先生に良く思われたいという一心で書いたのだった。翌日、私は仕事帰りに病院前にある郵便ポストへ封筒を投函した。
「先生のもとへ届きますように。」
郵便ポストに向かって両手を合わせて小さな声でぶつぶつと祈った。
手紙を投函して1週間・2週間以上経過をしても、石家先生からは何の返事もなかった。
