__入学式の日。
「‥‥‥これ、落としましたよ。」
私は今日から通う高校へ歩いていた。
すると、前を歩いていた同じ高校の制服を着た男の子がハンカチを落としていたのでそれを拾って渡した。
「っ!?ありがとう!!」
ホッとしながらハンカチを受け取り微笑むその人は私を見ると驚いた顔だった。
「き、君は!?」
「‥‥‥?えっと‥‥‥、知り合いでしたっけ‥‥‥?」
「あっ‥‥‥、いや。なんでもない。人違いだった。ありがとう。拾ってくれて。大事なハンカチだったんだ。」
「そうですか。」
「‥‥‥もしかして君、同じ高校の一年生?」
「はい。そうです。」
「俺もそうなんだ。仲良くしてよ。」
そう笑う彼に私もつられて笑う。
「うん。よろしく。」
「じゃあ、俺、友達待たせてるから。また!」
「うん。またね。」
イケメンだったな‥‥‥。あの人。
しかも平凡をかたどった私に対して、
あんなに笑いかけてくれるなんていい子だな‥‥‥。
モテそう。
__これが私の小田巻くんに対する第一印象だった。