タツナミソウ

_______________________。

「チコ、、?おーい?チコー?」

「あ、、え、、?ごめん、なに?」

「だから!来週行く遊園地の話だろ!なんかすごいぼーっとしてたけど大丈夫?」

「あぁ。そうだったよね!ぜんっぜん大丈夫!昔の亮太との事思い出していただけ!」

動きがうるさいと言われてしまうほど全力で手を横に振った。亮太は私の携帯に夢中で、ずっと遊園地の事を調べている。10年前は私達はガラケーを使っていたから、新鮮で嬉しいからだと言うけど、本当は遊園地が楽しみでそんなに真剣になっているのかな?とこっそり思っていた。ちょっと前にそんな事を匂わせてみたら、全力で否定されたからもう言わないけど。亮太と再開して3ヶ月。それは、よく昔、学生の頃とか大抵のカップルが別れるであろう時期だと言われていたな。3日、3週間、そして3ヶ月。私たちは特例だし、関係ないとは思ったいたのだけど、やっぱり少し気になりはする。亮太と再会したばかりの頃に深澤君とも色々あったし。深澤君は何もなかったように接してくれるから、たまに忘れる事もあるけど、不意に思い出して、人には言えない気持ちになる事がある。いや、亮太は私と翔平の中でしか生きてないし、他の人からしたら私は、死んだ元彼を忘れられなくてそれから誰とも付き合ったら恋をしていない可哀想な女とかなのだろうから言ってもいいのだろうけど。あぁ。まずこんな事を想像してしまう事がダメなんですよね、わかってますよ、、。いやいや、でも亮太が戻ってきてくれなきゃこんな悩みも持つことなかったし、嬉しい悲鳴ってやつかな?

「ねえ!チコ!だから、聞いてる?」

「え?あぁ。ごめん。なに?」

遊園地も10年経てば無くなる物も新しく入る物もあって、本当にすごく楽しみにしているらしい。さっきから違う事を考えているのも事実だけど、亮太が同じ事を何回も言ってくるのも事実だ。だから、色々他の事を考えてしまうのだ。

「だーかーらー、足のつかないジェットコースターが新しくできたんだって!!」

それ、もう5年くらい前からあるけどね。

「それに、凄い高さから、上下に動くやつもあるんだって!」

いや、それは10年前にもなかった?

「あとあと、えーと」

「いや、無理に探さなくていいよ。私も楽しみだから安心してよ。お弁当とかつくっちゃうおうかな?」

「え?まじ?じゃあさ、おれ肉じゃがは絶対入れて欲しい!」

亮太は尚更テンションが上がって、鼻しか見えないような距離まで近づいてきた。