「うわ!幸子のお弁当すっごく美味しそう!」
一緒に食べているめぐみが言った。いきなり唐揚げをひとつ取られて驚いたけど、美味しそうに食べているから、もっと食べてその顔見せて欲しい気持ちで自然とお弁当を差し出していた。めぐみは自分のお弁当からミニハンバーグを取り出して、私のお弁当に乗せた。そんなつもりじゃなかったけれど、めぐみが笑顔だからいい事にする。
「うわ!こいつ!彼女に弁当作ってもらってるよ!しかも、めっちゃ美味そう!!」
声のする方に視線を向けると、そこには亮太がいた。彼の友達たちがお弁当を見てはしゃいで、そこらじゅうに響き渡っていた。かろうじて見える、恥ずかしそうに右耳を触る亮太が愛おしい。隣からも肘でツンツンしてきて「だってさ!」とか茶化してくる人がいるけど、亮太の友達に比べたら天と地の差だ。でも、美味しそうと言われて少し誇らしげな気分になっている事はまちがいない。時間をかけて作ってよかった。ありがとう。深澤君!そこからお喋りしながら、お弁当を半分くらい食べ終わった時、向こうから砂埃を立てて走ってくる人がいるのが足音でわかった。めぐみもあまりの速さに固まっている。
「ねえ?幸子ちゃん?あいつ本当に喜んでたわ。全部美味しいってよ。あんまり美味しそうに食うから、唐揚げひとつもらっちゃったよ。ごめんな。めっちゃくちゃ美味かった。それだけ!」
早口で言って、またすごい速さで戻っていった。返事をする間もなく、気がつくともう亮太の隣に座っていた。友達パワフルすぎるな。めぐみも、ただ一言「なんか、、、すごいね」とだけ言い残して、また箸を動かし始めた。遠くの方で、その友達の髪の毛をぐしゃぐしゃにしている亮太が見える。でも、友達にそんな事言われちゃうほど喜んでくれたならよかったと安心した。
お弁当を食べ終わり、めぐみに「ちょっと行ってくるね」と言ってその場を離れた。鞄から薄いグレーのラッピング袋を持って。
「あのさ、今大丈夫?」
大きいタッパーのようなお弁当箱を持ってむしゃむしゃしている深澤君に声をかけた。その瞬間、ゴックンと何かを飲み込む音が聞こえてきた。もう美味しそうな音とかいうのを通り越して痛そうなくらいだった。案の定、胸を押さえながらゴホゴホ咳をしていた。私のせいだと思い、背中をさすって水筒の口を開けて差し出した。
一緒に食べているめぐみが言った。いきなり唐揚げをひとつ取られて驚いたけど、美味しそうに食べているから、もっと食べてその顔見せて欲しい気持ちで自然とお弁当を差し出していた。めぐみは自分のお弁当からミニハンバーグを取り出して、私のお弁当に乗せた。そんなつもりじゃなかったけれど、めぐみが笑顔だからいい事にする。
「うわ!こいつ!彼女に弁当作ってもらってるよ!しかも、めっちゃ美味そう!!」
声のする方に視線を向けると、そこには亮太がいた。彼の友達たちがお弁当を見てはしゃいで、そこらじゅうに響き渡っていた。かろうじて見える、恥ずかしそうに右耳を触る亮太が愛おしい。隣からも肘でツンツンしてきて「だってさ!」とか茶化してくる人がいるけど、亮太の友達に比べたら天と地の差だ。でも、美味しそうと言われて少し誇らしげな気分になっている事はまちがいない。時間をかけて作ってよかった。ありがとう。深澤君!そこからお喋りしながら、お弁当を半分くらい食べ終わった時、向こうから砂埃を立てて走ってくる人がいるのが足音でわかった。めぐみもあまりの速さに固まっている。
「ねえ?幸子ちゃん?あいつ本当に喜んでたわ。全部美味しいってよ。あんまり美味しそうに食うから、唐揚げひとつもらっちゃったよ。ごめんな。めっちゃくちゃ美味かった。それだけ!」
早口で言って、またすごい速さで戻っていった。返事をする間もなく、気がつくともう亮太の隣に座っていた。友達パワフルすぎるな。めぐみも、ただ一言「なんか、、、すごいね」とだけ言い残して、また箸を動かし始めた。遠くの方で、その友達の髪の毛をぐしゃぐしゃにしている亮太が見える。でも、友達にそんな事言われちゃうほど喜んでくれたならよかったと安心した。
お弁当を食べ終わり、めぐみに「ちょっと行ってくるね」と言ってその場を離れた。鞄から薄いグレーのラッピング袋を持って。
「あのさ、今大丈夫?」
大きいタッパーのようなお弁当箱を持ってむしゃむしゃしている深澤君に声をかけた。その瞬間、ゴックンと何かを飲み込む音が聞こえてきた。もう美味しそうな音とかいうのを通り越して痛そうなくらいだった。案の定、胸を押さえながらゴホゴホ咳をしていた。私のせいだと思い、背中をさすって水筒の口を開けて差し出した。
