一緒に食事や買い物をしたり家に遊びに来てもらったりと、5年も離れていたのが嘘のように接することが出来るのは、弥生と颯真の仲を勘違いしていた誤解が解けた以上に、彼女をちゃんと理解出来たことが大きいと千花は感じていた。

弥生は相変わらずのシスコンぶりで千花を甘やかしてくれて、そんな彼女を愛おしそうに見つめる大和がいる。

なぜか颯真は弥生に張り合うように千花を今まで以上に溺愛するようになり、こんなにも幸せでいいのかと目が眩む思いだ。


「ただいま」

千花が送られてきた荷物を整理しながらそんなことを思い返していると、いつの間にか颯真の帰ってくる時間になっていた。

「おかえりなさい。金曜日なのに早いね」
「プロジェクトも落ち着いたから、会食を減らすよう宮城に言ったんだ。千花の作った夕飯が食べたいし」
「宮城さん可哀想」
「それが仕事だからね」
「秘書さんも大変だ…」

ただいまのキスを千花の頬に落としながら颯真が言う。

「随分デカい荷物だな」
「ふふ、お姉ちゃんから」
「…弥生から?」

訝しみながら荷物の中身とメッセージカードを見た颯真が、あからさまに眉間に皺を寄せる。