『は、はい。すみません。たいしたことないのに先生にお手数をおかけして…』


『そんなこと気にするな』


『すみません…』


つい謝ってしまう。


『見せて』


先生はゆっくりと私の靴下を脱がせた。


そして、しゃがんだまま私の足を持って患部をじっくりと見た。


足の指を見られてるだけなのに…


なぜだか、すごく恥ずかしい。


ビニールの手袋をしてる蒼真さんの手は血で染まってしまった。


『ここ痛いか?』


確かに患部の辺りを触れられると痛かった。


『はい、少し痛みます。本当にすみません。私の不注意です』


『…万が一、患者さんの足に落としたら取り返しがつかない。常に器具を取り扱う時は気をつけるんだ』


蒼真さんの言葉にハッとした。


『はい、気をつけます』


本当にその通りだ。


もし患者さんの足に落としてたら…って思うだけで恐ろしくなった。