『大丈夫だから、これくらい平気』


『何言ってるんですか!ダメですよ。今、外来時間外ですから白川先生に診てもらいましょう』


そう言って、私の肩を支えて数歩だけ歩かせてくれた。


『ここに座ってて下さい。白川先生呼んできます』


歩夢君、私のために必死になってくれて、本当に申し訳ないよ。


ナースステーションにいた他の看護師にも心配をかけてしまって、私が仕事中なのに変なこと考えてるからいけなかったんだよね。


こんな調子じゃ、いつまでたっても立派な看護師になんてなれないよ。


歩夢君は、たまたま近くの患者さんの部屋にいた蒼真さんを連れて戻ってきた。


『先生、こっちです!』


歩夢君に先導され、急いで来てくれた蒼真さん…すごく真剣な顔してる。


迷惑かけたくないのに…


『す、すみません!』


『何してる、気をつけないとダメだろ』


やっぱりちょっと怒ってる。