どうしてよ、おかしいよ、こんなの。


蒼真さん、私の心を振り回して遊んでるの?


からかわれてるとしたらキツイよ…


本当に…何なの?


私は、モヤモヤした気持ちを引きづりながら、ナースステーションで仕事をこなしてた。


その時、突然、誰かに声をかけられた。


『ちょっと蓮見さん!』


かなり語尾が荒い口調に驚いて、私は持っていた医療機器を足の上に落としてしまった。


『痛い!!』


思わず大声が出る。


『藍花さん!!大丈夫ですか!』


歩夢君が慌てて向こうから走ってきてくれた。


『靴下に血が滲んでます。切れてしまったのかも知れません』


歩夢君は、しゃがんで私の足を見ながら言った。


指の部分に重いものが落ちたせいで、白い靴下が真っ赤になってる。


ふと顔を上げると、その視線の先には春香さんがいた。


私に声をかけたのは…春香さんだ。


でも、私と歩夢君とのやり取りを見てしまったからか…慌てて向こうに行ってしまった。