急に周りに声をかけてもらうようにはなったけど、それは別に告白とかじゃないし…


いったいみんなどうしたんだろって謎だらけ。


『…すみません。あんまり自分ではよくわからなくて。好きな人がいるってハッキリとは言えないですけど…でも、いないとも…言えないというか。本当に自分の気持ちが…』


私は首を傾げてしまった。


全く要領を得ない答えで申し訳ないと思った。


『そうなのね。難しいところよね』


えっ?


難しいところ?


『あの…それってどういう意味でしょうか?』


『ごめんなさいね。私ね…結構わかるのよ、男と女のこと。まあ、長いこと生きてるとね、いろいろ』


そう言って赤ワインを1口飲んだ。


『…そ、そうなんですね…』


『ねえ、藍花ちゃん。外科の白川先生、どう思う?』


突然、蒼真さんの名前が出て、思わず「えっ!?」って叫びそうになった。


『…し、白川先生ですか?』


『そう』