『いえいえ。その代わり、またどこか行こうね。藍花ちゃんと一緒に大好物のエビチリとチャーハンを食べたら元気になれたよ。明日も…仕事頑張れる』


『そ、そんな。また行こうなんて彼女さんに申し訳ないです』


独身だけど、さすがに彼女はいるよね、きっと。


いないわけ…ない。


『彼女?そうだね。確かに2年前まではいたような気もするけどね。もう忘れたよ。君がうちの病院に入ってきた頃の話。しばらくずっと1人でいる。全く寂しい男だよ』


七海先生はまた笑った。


『彼女さん、どうしていないんですか?先生みたいに…その…イケメンさんなら女性がほおっておかないんじゃないですか?病院にも先生のファンはたくさんいますし』


かなり失礼かと思ったけど、思わず口に出して聞いてしまった。


うちの病院の七不思議の1つを。


『ファン…ね。確かにこんな僕に好意を示してくれる人もいて有難いなって思うよ。でも、なかなかこの人だって思えなくてね』