『僕はこれから仕事も頑張っていきます。だけど…あなたを想うことも止めませんから。あなたが誰を好きでも構いません。迷惑だとは思いますけど、もうしばらく…藍花さんを好きでいさせて下さい。今日はそれが言いたくて』


『歩夢君…すごく嬉しいけど、でも約束して。私を想ってるって言ったからって、そこにこだわらないで。新しく好きな人ができた時には必ずその人を大切にしてあげて。私のこと…ちゃんと消して前に進んでね』


『…そんな時がもし来たら…そうしますね。もし、来たら…ですけど。あっ、駅に着きました。あっという間です、早い…ですね』


歩夢君はつぶやくように言って、口角を上げてニコッと笑った。


『ありがとう…明日からもまたよろしくね』


『はい。藍花さんと一緒に働けるだけで僕は幸せです。明日からもまた頑張れます』


歩夢君の笑う顔…なんとなく切なく感じて、なぜか、ちょっと苦しくなった。