少し冷静になろう…


数回深呼吸した。


今、腹を立てても仕方ない。


これからまた仕事に戻るんだし。


大丈夫、大丈夫。


その時、頭の中に蒼真さんが浮かんだ。


私を優しく抱きしめて微笑む姿。


一気に気持ちが晴れていく…


春香さんは、歩夢君を好き過ぎてあんなことを言ってるだけだ。


きっとそう。


だって…


もし白川先生が誰かを好きだなんて聞いたら…私もヤキモチ妬いてしまうかも知れない。


ううん、ヤキモチじゃ済まない。


落ち込んで、闇の中に閉じ込められたみたいになっちゃう気がする。


それくらい好きな人を想うって…大変なんだ。


気持ちが自分でも上手くコントロール出来なくて…時々おかしくなったりして。


ちょっと落ち着いて考えたら春香さんの気持ちもわかるのに、さっきはカーッとなってしまって…