空には星と月。


澄み切った秋の空気は清々しくて…


私は、この美しい夜の告白に心が揺れた。


七海先生の言葉を正直まだ全部飲み込めないし、やっぱり信じられない。


でも…


すごく…


感動したんだ。


ねえ、七海先生。


ずっと私を想ってくれてたなんて…本当?


お見合い相手がいるのに私なんかを?


もし、この告白が嘘じゃなかったとしても、私には…先生の思いにどう答えたらいいのかわからない。


そんなの…わからないよ。


『僕はもうすぐこの病院を去る。それまでに返事をもらえないかな?』


『えっ…でも先生には大切なお見合い相手の人が…』


『彼女にはもう一度きちんと話すつもりだよ。初めから「好きな人がいる」って言えば良かったんだ。両親の手前、バッサリ切れなかった自分がいけなかった。でも、僕には大切に想ってる人がいるって、今度はちゃんと話すよ。だから、藍花ちゃんは、僕への気持ちだけを考えて返事してほしい。どんな答えがきても、必ず覚悟を決めるから』