もっと注意を払って日々の仕事に取り組まなければならないと、改めて反省した。


『爪が割れてしまって血が出てるんだ。縫わなくても大丈夫そうだな。歩夢、念の為、整形外科にレントゲンを頼んでくれ』


『わかりました!』


私の怪我は、ナースステーションにあった救急箱と薬で治療出来る程度だった。


結局、骨折もなく良かったけど…


包帯を巻いてくれた蒼真さんにも、歩夢君にも、他の看護師にも…みんなに迷惑をかけてしまった。


それにしても、あの時、春香さんは私に何を言いたかったのかな?


どこかに行ってしまったのも、私のために動いてくれてる歩夢君を見て、きっと、いたたまれなかったんだろう。


好きな人が私なんかに優しくして…


やっぱり腹が立ってつらかったんだよね。


ごめんね、春香さん。


モヤモヤしたりして仕事に集中出来てなかった自分を、本当に情けなく感じた。