ちょ、可愛すぎて困るんですけど

side榴香
部屋もよし!髪型もよし!顔もよし!服もよし!諸々の準備よし!
「ふふん、今日の僕完璧じゃなぁーい?」
1人部屋でニコニコしながら、言う
現在9:00準備万端すぎて、眠くなってくる
あの後結局3時間も寝れなくて、7:30に起きたし…
朝ごはん作って片付けてーとかしてたら8:30過ぎてたし
麗ちゃんは、桜雨さんと出かけるけんだぁーって謎の自慢してきたし…
桜雨さんは買いたいものがあるって言って、麗ちゃん連れて映画まで2時間以上あるのに、さっき家出たし…
変な気遣わないでよ!もう…
もー…眠すぎ…
1人百面相していたら疲れて、睡魔が襲ってくる
い、1時間だけなら…
アラームを10:00から5分毎に設定して、ソファに寝転ぶ
あー…もう…
「おやすみ…」

ピリリッピリリッ
「ん…ぅ…」
ピリリッピリリッ10:25ですピリリッ
「25…分…??」
は!やば!
「やばいやばい!!」
もーなんで起きれないの!バカバカ!
インターフォンの履歴をチェックして、まだ1度も訪問者がいないことを確認する
はぁー、焦ったぁ…心臓に悪いって…
ほっとしたのも束の間
ピンポーン
「わぁ!!」
ピッ
「はい!」
『あ、おはよー。涼香だよ』
「今開けるね!!」
門のセキュリティと玄関を開け、涼香ちゃんを待つ
「お邪魔しまーす。」
「いらっしゃい!」
な、なんか…いつにも増してかっこよくない…?!?
てかこの格好で歩いてきたわけ?
はぁ…絶対一目惚れする人いるじゃん…
汗で髪が首筋に張り付いている
肩には大きめのトートバッグ、空いた手には
「あ、これコンビニで飲み物買ってきた。よかったら一緒飲もー」
「え!ほんと?!」
丁度…というか、買い忘れてあまり飲み物がなかったから、どうしようかと悩んでいたけど…
「ねぇ、涼香ちゃん」
「ん?」
「やっぱり僕涼香ちゃんのこと好き」
涼香ちゃんは僕をガン見して
「…ぉう…」
下を向いて、照れてしまった
それすら愛おしくて
「俺も好き」
「…へ…?」
「…俺も好きだよ」
言われるとは思わなかった…
「い、いざ言われる側になったら…だいぶ恥ずかしいね…あはは」
「…だな。とりあえず勉強しよう」
「だね〜。お菓子とか持っていくから、先に部屋行ってて!」
「おっけー」
廊下を早歩きしながら、熱くなった頬をパタパタと仰ぐ
その頃部屋では、頬を真っ赤に染めた涼香が顔を背けてポツリと言った
「あー…柄にもないこと言った…マジで恥ずい…」

お菓子を持って部屋に入る
先に勉強を始めていた涼香ちゃんは、珍しくメガネを掛けていた
「あれ、涼香ちゃん、メガネだ!」
ドヤ顔をしながら
「ふふん、そうだよ〜。かっこい?」
「うん!めちゃめちゃかっこいい!」
「ふふ、ありがと」
いや、冗談抜きでめっっっちゃかっこいい
シックな感じのノースリーブに、暗めのジーンズ
髪は下ろしてあるけど、ポニーテールも全然いいと思う
帽子被ったらいよいよお忍びでデートとかに来た芸能人に見える
いや、シンプルな物を軽々着こなせる涼香ちゃんかっこ良すぎて惚れ直す…
それにプラスしてめちゃ珍しいメガネ!!!
めっちゃインテリ系になった…
イケメンだからメガネ似合うのも決まってたよ???だけど、破壊力ヤバすぎて直視厳しいって…
自慢げにこちらを見てくる涼香ちゃんを、負けじと見るけど、やっぱりダメ
「あれ〜???顔、赤いよ?」
意地悪な事を言いながら、覗き込んでくる涼香ちゃん
…こうなったら…やり返してやる…
ちゅっ
軽いリップ音を鳴らして、お互いの唇が離れる
「…涼香ちゃんも、顔…赤いよ」
顔を赤くしてるのは、僕も同じだろうけど、やり返せて満足