side榴香
手を振って涼香ちゃんと、別れたあと家に向かって歩く
ここから家まで約5分
涼香ちゃんいないと長く感じるなぁ
「あ、お姉ちゃん!!」
後ろから声をかけられた
振り向くと同時に抱きついてきたのは、妹の麗子だった
麗子は、ピンクブラウンのセミロングで、桃色の瞳そして、身長は162センチ
ストレートなのだが、ふわっとしている
少しタレ目でふにゃっと笑う可愛らしい子だ
中学2年生だが、子供っぽい
「ちょ、危ない」
「えへへ。だって、お姉ちゃんと家まで一緒に帰れるんだもん。ついつい」
「麗ちゃん、危ないから次からは気をつけてよぉ?」
「ん!わかったぁ」
妹に若干身長を越されているので、傍から見れば僕が妹に見えるだろう
でも麗子は、僕に似て口が悪いところがあるから、ちょっと残念だなぁとも思う
「ねぇねぇ、お姉ちゃん。今日の夕飯どーする?」
「んん?んー、どうしようね。」
今日は、兄も両親も祖父母も家に居ない
僕と妹と曾祖母の3人分の夕飯だけ作ればいいのだが、曾祖母には自分達以外に、柔らかい食べ物を作らなければいけない
「今日ね、肉じゃが食べたい!!」
「お、いいねぇ。じゃあ、肉じゃがと味噌汁とさつまいもの甘煮と白米に玄米とか入れちゃおっか!」
「やったぁ!お姉ちゃんの作るご飯美味しくて大好き!」
「えへへ。ありがと」
さて、そうと決まれば肉じゃが作るために、じゃがいもの皮剥いてあるやつあるはずだから、ぱぱっと作って明日のためにお菓子作んないとなぁ
そう考えていると家に着いた
門を開け、玄関の扉まで歩く
「あ、私離れのひいおばあちゃんに、声掛けてくる!!」
はーいというかわりの手を振る
家の玄関扉に鍵を差し込み、開ける
「ただいまぁ」
扉を閉め、ドア横にある門の警報機やロックを操作できるスイッチをONにする
なかなかにでかいからなぁ…この家…
さてと…
二階にある自分の部屋へ上がり、荷物を置く
部屋着に着替え、一階のキッチンに下りる
「さてさて、まずは…ご飯と肉じゃがからかな」
野菜室から使う野菜を取り出し、冷蔵庫から肉を取り出す
下処理をしていると
「榴香。夕飯作ってるのかい?」
「!?ひいおばあちゃん??は、はやかったね、ビックリした。そうそう夕飯作ってるよ」
「婆さんに手伝えることはないかい?」
「んん??んー…ない!!ちょっと時間掛かるけどパパっと作れるから大丈夫だよ〜」
「そうかいそうかい。夕飯できるまで、テレビ見とくから、できたら声掛けにおいで」
「はーい」
そうしてひいおばあちゃんが去っていった
ひいおばあちゃん…桜雨(さくら)さんは、胸下くらいの長さの白髪で、紺色のつり目が特徴の僕のひいおばあちゃん
身長164センチでスラっとしてるし、若々しいから全然70代には見えん…
柔らかくなくてもまだまだ食べられるけど、歯が弱くなってからじゃ遅いと、両親が言うため少し柔らかい食べ物を作る
「おっねぇちゃーーーん!!!」
「うわぁあ!!!なになになに!!!」
「む、む、むむむむ虫!蜘蛛がいる!!!無理無理!どうにかして!!!!」
「くもぉ???ほっとけほっとけ、そのうちいなくなるって。麗ちゃん、桜雨さんが見たいって言ってたやつテレビ付けたって。多分わかんないと思う」
「んぇぇ…別にいいけどさぁ…この蜘蛛は無理だよぉ…」
まったく…母といい兄といい妹といい…虫嫌いなんだから…
麗子はしぶしぶリビングに行ってくれた、さて、ご飯作らなきゃ
━━━━━━━━━━━━━━
「できたよ〜」
「んぁ?今いいとこなのに〜」
どうやら、麗子とひいおばあちゃんがハマっているドラマを見ているらしい
「ほら、麗子ちゃん、運ばんといけんね」
「はぁい…ひいおばあちゃんの健康の為!!」
「そうそう。自分の健康の為にもね」
全員が食卓を囲み、ドラマを見ながら食べ進める
「…そうそう。湯は張ってあるからね。食べ終わった人から入んなさい」
「んん!ひいおばあちゃんナイス!!!ありがとぉ!!」
「桜雨さん、ありがとう。あ、今日お菓子作ろうと思うんだけど、なにか食べたいお菓子ある??」
「お菓子…マカロンにクッキー、シフォンケーキにエクレアにシュークリーム…」
お、多いなぁ…ははは
こう見えて桜雨さんは、かわいいものと甘いものが大好きだ。
特にマカロンに可愛く顔をチョコで描いてあげたら、それはもう凄く喜んでくれた
「ひいおばあちゃん、流石にそんなには作れる余裕ないよぉ…2つまでに絞ろ?」
「…2つ…だったらマカロンとモンブランケーキかね…美味しかったからもう一度食べたい」
「ん!いいね!私はー…シュークリームに果物挟んだやつ!!!」
「OKOK!」
━━━━━━━━━━━━━━
「ふぅ…」
お菓子の量が多く、時間は掛かったが達成感があっていい
「榴香、そろそろ寝なさいな」
「んー、ひいおばあちゃんは寝ないの?」
ちらっと時計を見るともうすぐで、2時半になる
「婆さんは今から寝るさ。榴香は明日人が来るんだろう?麗子ちゃんは明日婆さんと、昼から映画だからって10時には寝たよ」
「んー!明日映画見に行くんだ!もしかして今日見てたやつ??」
「そうそう。明日はスクリーンで見れるって、この婆さんも楽しみにしてて寝れんのさ」
「ふふ、そかそか。僕ももう寝るよ。ひいおばあちゃんも早く寝ないと、明日映画見てる途中に寝るかもよ〜?」
片付けをしながらひいおばあちゃんを見る
「…榴香、明日来る人は榴香にとってどんな人だい?」
その質問に驚いて、ボウルを落としてしまう
少しの間の沈黙
「……好きな人…だよ」
声を絞り出す
別に緊張するような事でもない
だけど…相手が同性となれば話は別…
両親や兄妹は気にしていないようだった
祖父母は、複雑そうで話題として出さないようにしていた
ひいおばあちゃんには、まだ話していない
だからこその不安
この2人しか居ない、静かな空間、出入口に立っているため逃げられない
この沈黙の時間が怖くて避けていた
「……その人は異性…ではなさそうだね」
「…そうだね…」
「婆さんは、気にしないさ。恋愛なんて好きなようにしているのが1番。お互いが好き同士じゃなきゃ、どんな恋愛でも、辛くなり苦しくなる。それは自分もだが、相手も同じだ。それを分かっているんだろう?」
「…うん。僕も…相手も…想い合っていなかったら、次第に…お互いの感情の差と壁があって、辛くなる…」
「…分かっているならいいのさ。婆さんは余計な口出しはしないって決めとるんでな。幸せを掴むかどうかは、お互い次第さ…さぁて、婆さんは寝るけね。おやすみ」
「うん…おやすみなさい」
心臓がバクバクと音を立てている
ひいおばあちゃんは、理解…してくれていた…??
よく分からないけど…
でも、今はなんだかそれでいい気がする
気を取り直さなきゃ…
「よし、片付け終わったら今日は寝ちゃおっかな!!」
━━━━━━━━━━━━━━
「うげ、もう4時…?」
寝る前に部屋の片付けをしていたら、遅くなってしまった
そろそろ寝るか
「おやすみなさい」
シンとした部屋に自分の声だけが響く
手を振って涼香ちゃんと、別れたあと家に向かって歩く
ここから家まで約5分
涼香ちゃんいないと長く感じるなぁ
「あ、お姉ちゃん!!」
後ろから声をかけられた
振り向くと同時に抱きついてきたのは、妹の麗子だった
麗子は、ピンクブラウンのセミロングで、桃色の瞳そして、身長は162センチ
ストレートなのだが、ふわっとしている
少しタレ目でふにゃっと笑う可愛らしい子だ
中学2年生だが、子供っぽい
「ちょ、危ない」
「えへへ。だって、お姉ちゃんと家まで一緒に帰れるんだもん。ついつい」
「麗ちゃん、危ないから次からは気をつけてよぉ?」
「ん!わかったぁ」
妹に若干身長を越されているので、傍から見れば僕が妹に見えるだろう
でも麗子は、僕に似て口が悪いところがあるから、ちょっと残念だなぁとも思う
「ねぇねぇ、お姉ちゃん。今日の夕飯どーする?」
「んん?んー、どうしようね。」
今日は、兄も両親も祖父母も家に居ない
僕と妹と曾祖母の3人分の夕飯だけ作ればいいのだが、曾祖母には自分達以外に、柔らかい食べ物を作らなければいけない
「今日ね、肉じゃが食べたい!!」
「お、いいねぇ。じゃあ、肉じゃがと味噌汁とさつまいもの甘煮と白米に玄米とか入れちゃおっか!」
「やったぁ!お姉ちゃんの作るご飯美味しくて大好き!」
「えへへ。ありがと」
さて、そうと決まれば肉じゃが作るために、じゃがいもの皮剥いてあるやつあるはずだから、ぱぱっと作って明日のためにお菓子作んないとなぁ
そう考えていると家に着いた
門を開け、玄関の扉まで歩く
「あ、私離れのひいおばあちゃんに、声掛けてくる!!」
はーいというかわりの手を振る
家の玄関扉に鍵を差し込み、開ける
「ただいまぁ」
扉を閉め、ドア横にある門の警報機やロックを操作できるスイッチをONにする
なかなかにでかいからなぁ…この家…
さてと…
二階にある自分の部屋へ上がり、荷物を置く
部屋着に着替え、一階のキッチンに下りる
「さてさて、まずは…ご飯と肉じゃがからかな」
野菜室から使う野菜を取り出し、冷蔵庫から肉を取り出す
下処理をしていると
「榴香。夕飯作ってるのかい?」
「!?ひいおばあちゃん??は、はやかったね、ビックリした。そうそう夕飯作ってるよ」
「婆さんに手伝えることはないかい?」
「んん??んー…ない!!ちょっと時間掛かるけどパパっと作れるから大丈夫だよ〜」
「そうかいそうかい。夕飯できるまで、テレビ見とくから、できたら声掛けにおいで」
「はーい」
そうしてひいおばあちゃんが去っていった
ひいおばあちゃん…桜雨(さくら)さんは、胸下くらいの長さの白髪で、紺色のつり目が特徴の僕のひいおばあちゃん
身長164センチでスラっとしてるし、若々しいから全然70代には見えん…
柔らかくなくてもまだまだ食べられるけど、歯が弱くなってからじゃ遅いと、両親が言うため少し柔らかい食べ物を作る
「おっねぇちゃーーーん!!!」
「うわぁあ!!!なになになに!!!」
「む、む、むむむむ虫!蜘蛛がいる!!!無理無理!どうにかして!!!!」
「くもぉ???ほっとけほっとけ、そのうちいなくなるって。麗ちゃん、桜雨さんが見たいって言ってたやつテレビ付けたって。多分わかんないと思う」
「んぇぇ…別にいいけどさぁ…この蜘蛛は無理だよぉ…」
まったく…母といい兄といい妹といい…虫嫌いなんだから…
麗子はしぶしぶリビングに行ってくれた、さて、ご飯作らなきゃ
━━━━━━━━━━━━━━
「できたよ〜」
「んぁ?今いいとこなのに〜」
どうやら、麗子とひいおばあちゃんがハマっているドラマを見ているらしい
「ほら、麗子ちゃん、運ばんといけんね」
「はぁい…ひいおばあちゃんの健康の為!!」
「そうそう。自分の健康の為にもね」
全員が食卓を囲み、ドラマを見ながら食べ進める
「…そうそう。湯は張ってあるからね。食べ終わった人から入んなさい」
「んん!ひいおばあちゃんナイス!!!ありがとぉ!!」
「桜雨さん、ありがとう。あ、今日お菓子作ろうと思うんだけど、なにか食べたいお菓子ある??」
「お菓子…マカロンにクッキー、シフォンケーキにエクレアにシュークリーム…」
お、多いなぁ…ははは
こう見えて桜雨さんは、かわいいものと甘いものが大好きだ。
特にマカロンに可愛く顔をチョコで描いてあげたら、それはもう凄く喜んでくれた
「ひいおばあちゃん、流石にそんなには作れる余裕ないよぉ…2つまでに絞ろ?」
「…2つ…だったらマカロンとモンブランケーキかね…美味しかったからもう一度食べたい」
「ん!いいね!私はー…シュークリームに果物挟んだやつ!!!」
「OKOK!」
━━━━━━━━━━━━━━
「ふぅ…」
お菓子の量が多く、時間は掛かったが達成感があっていい
「榴香、そろそろ寝なさいな」
「んー、ひいおばあちゃんは寝ないの?」
ちらっと時計を見るともうすぐで、2時半になる
「婆さんは今から寝るさ。榴香は明日人が来るんだろう?麗子ちゃんは明日婆さんと、昼から映画だからって10時には寝たよ」
「んー!明日映画見に行くんだ!もしかして今日見てたやつ??」
「そうそう。明日はスクリーンで見れるって、この婆さんも楽しみにしてて寝れんのさ」
「ふふ、そかそか。僕ももう寝るよ。ひいおばあちゃんも早く寝ないと、明日映画見てる途中に寝るかもよ〜?」
片付けをしながらひいおばあちゃんを見る
「…榴香、明日来る人は榴香にとってどんな人だい?」
その質問に驚いて、ボウルを落としてしまう
少しの間の沈黙
「……好きな人…だよ」
声を絞り出す
別に緊張するような事でもない
だけど…相手が同性となれば話は別…
両親や兄妹は気にしていないようだった
祖父母は、複雑そうで話題として出さないようにしていた
ひいおばあちゃんには、まだ話していない
だからこその不安
この2人しか居ない、静かな空間、出入口に立っているため逃げられない
この沈黙の時間が怖くて避けていた
「……その人は異性…ではなさそうだね」
「…そうだね…」
「婆さんは、気にしないさ。恋愛なんて好きなようにしているのが1番。お互いが好き同士じゃなきゃ、どんな恋愛でも、辛くなり苦しくなる。それは自分もだが、相手も同じだ。それを分かっているんだろう?」
「…うん。僕も…相手も…想い合っていなかったら、次第に…お互いの感情の差と壁があって、辛くなる…」
「…分かっているならいいのさ。婆さんは余計な口出しはしないって決めとるんでな。幸せを掴むかどうかは、お互い次第さ…さぁて、婆さんは寝るけね。おやすみ」
「うん…おやすみなさい」
心臓がバクバクと音を立てている
ひいおばあちゃんは、理解…してくれていた…??
よく分からないけど…
でも、今はなんだかそれでいい気がする
気を取り直さなきゃ…
「よし、片付け終わったら今日は寝ちゃおっかな!!」
━━━━━━━━━━━━━━
「うげ、もう4時…?」
寝る前に部屋の片付けをしていたら、遅くなってしまった
そろそろ寝るか
「おやすみなさい」
シンとした部屋に自分の声だけが響く


