「そうなんだ。それでちょっとぷくっとしてたんだ」

「えっ、ぷくっと!?自分ではストレスでげっそりしているつもりだった…」

「ははっ、えらい勘違いだな!」

「笑わないでよー」

「まぁ健康的でいいと思うよ。俺は好き」

「だよねー、健康が一番!」

「…ところでおまえ、どこ住むの?いつまでも猫の中の仮眠室じゃなぁ」

「そうだよね、なんだかうかれてて住むところとか考えずに来ちゃった…」

「……俺んとこ来る?」

「………」

「舞子がよければ俺は構わないぞ。俺…おまえのこと………」

「………」

「…なんだ、寝てんのか」

いつの間にか私は助手席で眠っていた。
疲れてたし…
健藏さんの横で安心できたっていうのもあったかも…。

目が覚めたら私は見知らぬ部屋にいた。
寝ぼけていてよくわからなかったけど…

「ん?」

頭に何か違和感があった。触ってみると、ヘアピンに紙が挟んであった。

「…なんだこれ?」

紙を開いてみた。

‘ここは俺んち。ゆっくりしてね’

「…ふふふ。なんでこんなとこに挟むのよー」