「…舞子、仕事は楽しいか?」

「まぁ…、楽しいっていうか、やらなきゃならないって感じで、…そんなに楽しくはないかな…」

「ここ、一緒にやんねぇ?」

「え…」

「舞子みたいな気持ちになってくれる人がこいつらには必要だと思う…」

「うん……」

「…考えてみて。あ、俺これからバイトだから悪いけど頼む」

「うん、わかった」

誘ってくれて嬉しかった。
埼玉で仕事には就けたけど、別にやりたいことじゃないし、それにこの子たちと一緒にいると楽しい。それに……

「あ、そこはトイレじゃないでしょ!」


夜になり、私は外を眺めていた。
すると、木の影で何かチラチラと動いた。猫が外に出ちゃったのかもしれない!と思い、私は慌てて外にでた。

「あ…」

動いたのは、昼間子猫を捨てた少年だった。
私の姿に気付いて逃げようとした。

「待って、子猫に会いに来たんでしょ!?」

少年は立ち止まった。

「おいで」

ガラス越しで、少年に子猫を見せた。

「…たくさんいる」

「みんな捨てられたんだって…」

少年は泣き出した。