「俺は帰るよ。舞子がいてくれたら猫たちも安心だ」

「…じゃ、そうさせてもらおうかな」

「おう、頼む」

健藏さんは帰っていった。

私は猫たちと遊んだ。猫たちが寝付いたらちょこっと掃除をして、私も寝ることにした。
だけど、興奮していたのか、なかなか寝付けなかった。
やっと眠りにつけたのはもう明け方だった。

「おはよう…っと」

健藏さんが来た時には爆睡していた。

「ニャーン、ニャン」

「シーッ、ねぇちゃんまだ寝てるだろ!ホラ、ごはんこっちだぞ」

私は何も気付かずに眠り続けていた。

健藏さんが、寝ている私の顔で遊んでいることにも…

「うーん……」

「ふっ…変な顔。全然起きないな。疲れてんのか?」

「あー…、たこがねぇ……」

私は寝言なんか言っていた。

「…起きないとチューしちゃうぞ」

「…………」

「…本当にするぞ」

健藏さんが顔を近付けてきた。

「ぎゃあ~!イカに負けたっ……、…あれっ?」

夢にうなされて私目が覚めた。

「おまえ…、たことかイカとか一体どんな夢みてんだよ?もうちょっとだったのに…」