「や~、おかえり!いつ帰って来たの?」

「たった今~、部屋に何もないから依子ちゃん引っ越したと思って、もう帰るとこだった…」

「あーごめん。私東京に就職が決まって、今荷物を送りに行ってたんだ。本当は舞子ちゃんを待っていたくて、残しておきたかったんだけど、次入る人が待ってるって大家さん許してくれなかった…。よかった、私がまだここにいるうちに帰ってきてくれて!」

「そうだったんだ。…依子ちゃん、大人っぽくなったね」

「そう?舞子ちゃんこそ!舞子ちゃんどこに行ってたの?」

「適当に電車に乗ったら埼玉に着いて。運良くすぐに寮付きの職場に採用もらえてのたれ死なずにすみました」

「あーよかったー…。いきなりいなくなっちゃうんだもん、びっくりしたよ!」

「ごめんね…」

「依子ちゃんずっと心配してたんだぜ。信じようって言うのにさ」

「健藏さんだってそう言いながら気にしてたくせに!」

「あ、バレてた?」

「ありがとう…、2人とも…」

思わず泣いてしまった。