「ミー、ミー」

「かわいー…。おなかがすいてるの?」

「ミー、ミー」

「ごめんね…、私何も持ってないの…。お給料もいただけなかったし…」

「ミー、ミー」

「そんなに鳴かないでよー…」

そういえば、私も昨日から何も食べてないんだ…。
だけどひとつもお腹空いてない…。それより歩きすぎて足が痛かった。

「ミー、ミー」

「ははは……、痛い…」

「ミー、ミー」

「こんなにかわいい子たちを…。おまえたちも捨てられたの…?私と同じだねぇ…」

「何が同じなんだよ!」

……健藏さんだ。

「ほら、ミルクだぞ、飲めー。おお、そんなに慌てるとむせるぞ。ははっ、かわいいな」

私はぼんやりと…、幻を見ているような気分だった。

「舞子が子猫と話してんのが聞こえてきて買ってきたんだ。舞子のもあるよ。あー安心したら腹へった、俺も食おうっ」

「………」

「おまえらパンも好きなのか。はは、すげぇ食いっぷり」

「…猫が好きなんだね?」

「ああ、大好き。何か愛しいんだよな。俺のやりたいことってな、こんな捨て猫たちを救済して飼育できるテーマパークみたいなの創りたいんだ」