そう言って、私は部屋を出た。

「舞子ちゃん、どこ行くの!?」

「もう…ほっといて!」

私は走り出した。

「待ってよっ!」

依子ちゃんは追いかけてきてくれたけど、赤信号が二人を離した。

「あ~、どうしよう…」

信号が青になり、依子ちゃんは急いで追いかけたが、私はその辺には居なかった。

依子ちゃんは、1時間くらい探し回ってくれたけれど、会うことはなかった。

私は携帯も持たずに飛び出てきた。
依子ちゃんは、私の携帯から健藏さんの番号を見つけ、電話をかけた。

「あ、舞子ちゃんのいとこの依子です」

『ああ、…何かあった?』

「あの……居なくなっちゃったんです…。電話でお母さんと言い合って、舞子ちゃんまたショック受けたみたいで…」

『今どこ?』

「うちです。もしかしたら帰ってるんじゃないかと思って戻ってきたら、舞子ちゃん携帯も持ってってなくて、それで…」

『わかった、俺も探す』

その頃、私はどこに居たのだろう?
自分でも今どこにいるのか……

「彼女!うちで働かない?」

風俗業らしき男が声をかけてきた。