「うん。…なんてウソ!そんなこと思ってないよ。誰にだって取り柄はあるんだから」

「だよねー、ってホメてんの?」

「もちろん!」

「あは、まぁいいや。ところで学校どうだった?」

「うーん、まだよくわかんないや。これからだよ」

「だよねー、ま、焦らずにやっていきましょう」

その日の夜は、しゃべって食べて、更けていった。

次の日から私はちゃんと、バイト探しのために街をふらふら歩き回る日々が始まった。
貯金も使っちゃったし、早く稼がなきゃ…

「今回はご縁がなかったということで…」

「あ、募集?もう終わったよ」

「あんた力無さそうじゃん。だめだめ」

…なかなかうまくいかない。
そんなこんなで、早くも千葉に来て一ヵ月が経とうとしていた。

「えっ、依子ちゃんもバイト探すの?」

「うん、親の仕送りだけじゃ生活が出来ないもん」

「そっか…。勉強も大変なのに…ごめんね、私がガンガン稼げたら…」

「なんで、舞子ちゃんが謝ることないよ!舞子ちゃん、私に食べさせるためにここに来たんじゃないでしょ。私は私で頑張るから。…それより早くやりたい事みつかるといいね!」

「うん…」

依子ちゃんは私より年下なのに、しっかりしてるなぁ…。
きっとバイトだって、私より先に決まっちゃうんだから…。

……案の定。