あお

「もしもし。――うん。２人とも元気だよ。――うん。――ちゃんとやってるよ」

どうやら実家からのようだ。
私は依子ちゃんが電話中、外の空気を吸いに出た。約２０時間も寝ていて、体がカチカチになって、どこそこ痛かった。

ふと空を見上げると、たくさんの星がキラキラと輝いていた。私は無心になり、ただ星の綺麗さに癒された。

「星がすっごい綺麗だったよ！」

「星？そういえば私、最近空なんて見上げてないなぁ」

「私も久しぶりだったよ。…電話、お母さんだったの？」

「うん。いつも同じ事ばかり。ちゃんとやってるか？とか、ごはんは食べてるのか？って。…歳なのかなぁ？」

「心配してくれてるんだよ。私になんか千葉に来てから一度も電話ないよ。きっと厄介者がいなくなってせいせいしてるんだよ」

「そんなことないよ。今うちのおかんと舞子ちゃんのお母さん、一緒にいたみたいで、舞子ちゃんのお母さんともちょっと話したんだよ。心配してたよ」

「…何か言ってた？」