「紅羽と宮城先生がねえ・・」
お見舞いに来た夏美は信じられないって顔。

「ごめん、黙っていて」
「いいよ。でも・・・信じられない」
そればっかり。

「あれ来てたんだ」
チラッと夏美を見て、私が頼んだ買い物のプリンを差し出す公。

「お邪魔してまーす」
夏美は不思議そうに、私と公を交互に見ている。

「何してるんだ、ちゃんと寝てろよ」
いつの間にかベットを出てソファーに座っている私に、公の突っ込み。

「だって、産科の先生ももう大丈夫だって」
「それでも、用心しろ」
「動かずにずっと寝ていろって言うの?」
「ああ」
「はあ?」
最近の公は、時々暴君に見える。

「言うことを聞け。産科の先生に1ヶ月自宅安静の診断書出させたから」
「ええ?そんなことすれば、うちの部長が・・・」
「大丈夫、いざとなれば俺がもらってやる」

えっ。
途端に、顔が赤くなった。
夏美はお腹を抱えて笑ってる。

「もーやめて。宮城先生のイメージが崩れていく」

本当にその通り。
公の二重人格がバレバレだから。