「オイ、しっかりしろ」
次に聞こえてきたのは、翼の声だった。
ここは・・・病院。
私は・・・倒れたんだ。
赤ちゃんは?
「紅羽、大丈夫か?」
父さんまで来ている。
「大丈夫」
みんなが見ているからと、起き上がろうとして、
「馬鹿、寝てろ」
翼に止められてしまった。
「今は、じっとしていなさい」
父さんまで。
ウンウンと頷く翼。
もー。
父さんと翼は以前から何度か顔を合わせている。
もちろん友達としてで、まさか一緒に暮らしているとは思っていないけれど。
「心配いらないからな。落ち着くまで、もう少し寝ていろ」
「うん」
翼は優しく言ってくれるけれど、私にはわかっている。
自分の体だもの。わからないはずがない。
今も・・・出血が続いている。
「検査だな」
救命部長の声。
「俺が診ますから」
いつになく、翼の語気が強い。
部長を含め反対する者はなく、みんな遠巻きに見ている。
「とりあえず、師長、救急病棟の部屋を用意してください」
「個室でいいですよね」
「ええ、かまいません」
なぜか翼が答えている。
差額ベット代を払うのは私ですが・・・
「検査は血液検査と、超音波は病室に上がってからにします」
「レントゲンは?」
師長の問いに、
「うーん、後でいいです。とにかく、病室に上げてやりましょう」
「「はい」」
翼が言い切り、救命部長も了承した。
本来なら、この状況ではレントゲンが必須だと思う。
でも、妊娠初期の私にレントゲンはできない。
翼はわかっていて断ってくれたんだ。
もしかしたら、部長も師長も気づいたかも知れないけれど、結局みんな黙ってくれた。
次に聞こえてきたのは、翼の声だった。
ここは・・・病院。
私は・・・倒れたんだ。
赤ちゃんは?
「紅羽、大丈夫か?」
父さんまで来ている。
「大丈夫」
みんなが見ているからと、起き上がろうとして、
「馬鹿、寝てろ」
翼に止められてしまった。
「今は、じっとしていなさい」
父さんまで。
ウンウンと頷く翼。
もー。
父さんと翼は以前から何度か顔を合わせている。
もちろん友達としてで、まさか一緒に暮らしているとは思っていないけれど。
「心配いらないからな。落ち着くまで、もう少し寝ていろ」
「うん」
翼は優しく言ってくれるけれど、私にはわかっている。
自分の体だもの。わからないはずがない。
今も・・・出血が続いている。
「検査だな」
救命部長の声。
「俺が診ますから」
いつになく、翼の語気が強い。
部長を含め反対する者はなく、みんな遠巻きに見ている。
「とりあえず、師長、救急病棟の部屋を用意してください」
「個室でいいですよね」
「ええ、かまいません」
なぜか翼が答えている。
差額ベット代を払うのは私ですが・・・
「検査は血液検査と、超音波は病室に上がってからにします」
「レントゲンは?」
師長の問いに、
「うーん、後でいいです。とにかく、病室に上げてやりましょう」
「「はい」」
翼が言い切り、救命部長も了承した。
本来なら、この状況ではレントゲンが必須だと思う。
でも、妊娠初期の私にレントゲンはできない。
翼はわかっていて断ってくれたんだ。
もしかしたら、部長も師長も気づいたかも知れないけれど、結局みんな黙ってくれた。