夜中の医局で、1人カルテの整理と診断書の作成。
どうせやってもケチつけられる。
でもやるのが、意固地な私。

その時、
「何してるの?」って声をかけられた。

「診断書?何で1から作るの?」
私のデスクに並んだ書類を見ながら、呆れた顔をする宮城先生。
一方、意味のわからない私は
「1からじゃなくて、どうやって作るんですか?」
「医療秘書は?」
???
医療秘書って、ドクターのサポートをしてくれるスタッフ。

はー。
宮城先生は思い切り肩を落とし、
「もう少しうまくやれよ」
全く優しくない言葉をかけてきた。

はあ?
私も顔に出てしまう。

大体、この人はいつも優しくて、患者にもスタッフにも人気の先生。
でも今は・・・別人みたい。

「半分よこせ」
「え、でも、先生当直なのに」
「1人でできるわけないだろうが」
「それはそうですが・・・」
先生だって、今夜当直で朝からまた勤務なのに。

「悪いと思うなら、手を動かせ」
「は、はい」

結局、宮城先生は仮眠も取らずに手伝ってくれた。