朝帰りを見られた以上、なんだか気まずい公との時間。

「電話に出られなくてごめん」
「いいよ。事情がありそうだからな」

一言では言えないけれど、翼が苦しんでいたから。

「お前も仕事だろ」
「うん」

完全に眠気は覚めてしまったけれど、まずは水を飲み、トイレで吐いた。
色気も何もない醜態。
でも、それをさらせるのも公の前でだけ。

「相変わらず色気がないなあ」
「仕方ないでしょ。アルコール臭いまま病院には行けないじゃない」
「それにしても・・・女をどこにおいてきた?」
「そんなもの、最初から備え付けられておりません」
相変わらずの軽口。

本当は、「病院を辞めるの?」って聞きたいのに。
肝心なことは聞けない私。

「俺は行くから、少しは仮眠をとれよ」
「うん」
「夜には帰るから」
「うん。行ってらっしゃい」