「紫、寝ちゃってます」


「...そうか」



帰ってくると、ゲームに頭を使って疲れ果てた紫が、ソファーで心地よさそうに眠っていた。

リツが優里を連れていこうとすると、彼女はその手を払って、俺を睨む。



「紫を...どうするつもり」


「...こいつが望むようにするだけだ」


「その手で、本当にできるの?」



リツも話の内容を理解したようで、俺に口を出した。



「残酷なことするよね。...お母さんも、もう死んでるのに」


「死んでも構わない相手だ」


「まぁ、毒親は消えるべきなのかもねー...」



爪を触りながら、こっちをちらりと見るリツ。
そして、俺をまだ睨む優里。

可愛らしい寝顔で、眠っている紫。



「紫は、絶対に自分を殺せって言います」


「だろうな」


「深海魚にそんなことできるの?」


「...俺は殺してやると言っただけで、すぐ殺すとなんて言ってないんだ」


「......そんな性格だから、顔はいいのに28年間彼女出来なかったんじゃないの?」



俺は、性格が悪いわけじゃない。
ただ、どの女もどの人間も、同レベルで低レベルにしか思えなかっただけだ。