「この主人公も、ちょっと災難だよね」


「そう...かなぁ」


「起きたら誰もいなかったとか、床に血の跡があるとか。怖すぎて私だったらちびるなぁ」


「床に血の跡は怖いかも」


「友達の別荘に泊まりに来て、なんで友達いなくなっちゃうかね」


「ひとりにしないでほしいよね」



ストーリーに思うことを言いながら、ドアを開けて進んでいく。

友人の別荘に泊まりに来たら、ぼーっとしているうちに友達が消え、代わりに血痕が残っていた。

その血はリビングと廊下を繋ぐ扉まで続いていて...というものだ。



「あ、曲がり角いるから止める」


「角待ちナイファーか...」


「すごい蛍光灯見つめてるね」


「LEDに変えたいんじゃないかなぁ、暗いし」



二人で笑いつつ、驚きながら進める。

真剣な話ばっかりするんじゃなくて、こうしてゲームで笑いながら話すことの方が楽しい。

なにより、優里さんと近づいている気がする。



「うわやば、なにこいつ」


「止められないから敵じゃないと思うよ」


「でもなんか見た目的に無理なんだけど...」



敬語の時は大人しめだったのに、敬語を外すと急に現代人が出てくる優里さん。

大学の友達を思い出しながら、ふふっと笑った。