「紫さん、なかなかにゲーム上手いですね」


「ふふ、負けませんよ」



次の日。昼過ぎに起きると、もう優里さんが来ていて、律さんもいた。

今日はアキさんだけがお仕事らしい。



「二人にも勝てない僕はどうすればいいの」


「まだまだですね律さん」


「ねぇ〜優里強いってば」



レースゲームを三人でやる。
いつも優里さんとゲームをやっているからの胸を張っていた律さんだったが、そんな彼は最下位。

CPUにでさえ勝てていない。



「紫さん、ゲームが好きなんですか?」


「...勉強の合間にゲームをすることが大好きで」


「勉強の合間かぁ...私だったらゲームの合間に勉強ですね」


「勉強の合間にどれだけ効率よくゲームできるかって言うところに重点を置いてました」


「こだわり方が優里みたいで怖い」


「失礼な、私はそんなこだわりないです」



もう諦めた律さんは、優里さんの太ももに頭を乗せて横になっている。

優里さんは最後まで真剣で、私に勝てないことを悔しがっていた。



「次このゲームしよう」


「は、はぁ、わかりました」


「優里、どんだけ悔しかったの...」



ぐいぐいとゲームを勧める優里さんに、私は少し苦笑した。