あの日溺れた海は、


「いや、大丈夫、わたし、そこらへん散歩でもしようかな!」


明るく笑ってそう言うわたしに部員たちも不安げな表情を解く。


「いいの?わたしたちも一緒に散歩しようか?」


月のその言葉にわたしは勢いよく首を横に振った。


「いいって!あー…藤堂先生にアイスでも奢ってもらうし!」


なんで先生の名前が出たのかは分からないけど、それで漸く月たちも納得してくれたらしい。「わかった、寂しくなったらおいでよ?」と、言うとわたしも「うん!」と頷いてひっそりと胸を撫で下ろした。




(…とは言ったものの、暇だなあ。)


わたしは一人きりになった室内でごろんと横になると天井を見つめてそう心の中で呟いた。

テレビをつけてもこの時間の番組は退屈なものばかりですぐに消してしまった。

こんな日差しの中じゃ、散歩しようなんて言ったものの全くもって気が進まず、結局室内で涼んでいた。


ふぁあ、とおっきな欠伸をすると、昨日の夜あまり眠れなかったことを思い出して急に深い眠気に襲われた。


せっかく来たのに寝ちゃうなんて、と少し足掻いてみたものの、すぐに諦めて目を閉じた。