「えっと…今日の昼休みに藤堂先生が借りて行って、昼休みが終わる頃には返してもらったよ。」
想像もしてなかった人物の名前にわたしは「え…。」と声を漏らして固まった。
「それ以外の人は借りてないよ。昨日井上さんに言われてから、鍵は僕が机の鍵がかかるところに入れていたし。」
先生は腕を組みながら考え込みながら自分の言葉にうんうんと頷いた。
斜め前の藤堂先生の席に視線を送ると空だったが、その視線に気づいたおじいちゃんが藤堂先生はおそらく数学教科室にいるということを教えてくれた。
わたしはおじいちゃんにお礼を言うと職員室を後にした。
山崎さんではないという事がわかったからか、少し冷静さを取り戻したわたしは今度は早歩きで数学教科室へと向かった。

