あの日溺れた海は、


それにしても…


わたしってこういう推理向いてないのかしら。


確信を得てはすぐに的を外していることに気がついて自分に嫌気が差した。





「キャハハ!!!華ったら早とちりしすぎ!!」


次の日の放課後。職員室から鍵を借りて部室へ行く途中、バッタリ会った月に昨日の朝のことを話すと、彼女は腹を抱えて大笑いした。



そんな月を見てムッと頬を膨らませながら「だって、匂いが同じだったら勘違いもするでしょ…。」とぶつくさと言い訳をした。



「でもあの香水がジョンと同じ香りなら、ジョンのことが好きな女の子ってこと?」


そう首をかしげる月にわたしはポン!と手を叩いて「確かに」と返した。短絡的な推理だけどこうして絞っていくしかない。


「同じクラスの子でジョンのこと好きな子っている?」



「うーん…わかんないけど、千晃ちゃんに聞いてみる!」



そう言うのと同時に部室前に人影を見つけた。
黒いロングヘアー。山崎さんだった。


彼女の存在に気づくと少し顔を引き攣らせた。そんなわたしに月は気づくはずもなく「あ!李子ちゃんだ!」と嬉しそうに言うとこちらに気づいた彼女に手を振った。



「今日も見学ー?てかこの間急に帰っちゃったよね?大丈夫だったー?」


「先日は申し訳ございません。今日も見学よろしくお願いします。」と月に返す山崎さんに背を向けてわたしは気まずい思いを抱えながら鍵を開けた。