「ひどいって何よ、そんなの、玲の方がひどいじゃない。」
2人が連呼するひどい〜という言葉に月はムッと頬を膨らまして例の方を指差した。
2人はキョトンとした顔で玲の方を向くと、「ひどい?」「どういうこと?」と問いかけた。
玲は自分が名指しされるとは思っていなかったのか、少しだけ目を見開いた。
「だって、赤ペン先生の正体を知っているって言ってるのに教えてくれないじゃない。」
その月の言葉に、「ええ?」という声が廊下に響いた後、玲はわざとらしくため息をつくと、「言えないだけ。借りがあるから。」とだけ口にして颯爽と部室へ戻っていった。
「…どういうこと?」
困惑した表情でわたしを見つめる喬佳に「わたしもわからない。」と答えた。
「あたしが口を割らせる!!」と勢いよく玲の後を追おうとする喬佳に、わたしは「大丈夫。」と強い口調で言った。

