「え…。」
自分の机の上に見慣れない白い紙が置いてあった。
『井上華様』
もう見慣れた字で大きく書かれたわたしの名前にドクンと胸が大きく脈を打った。
『去年の部誌をお借りします。また後日返却させて頂きます。
P.S. まだ私の正体に気づかないのでしょうか?こんなに近くにいるのに。』
恐る恐るその紙を取ると、そう赤い字で書かれていた。もう赤い字で書く必要などないのに。
その手紙を見て意味もなくきょろきょろと周りを見渡した。
その瞬間、鋭い目つきでわたしを見つめる山崎さんと目が合った。
と、思った瞬間には既に視線は逸らされていた。
今までに浴びたことのない視線に、胸がひやりとする。

