「亮だから言えるんだよ。」
わたしのことを一番理解している親友だから。そういう意味を含めて言った。
それなのに亮は「そういうの、ずるい。」と真っ赤になった顔を机にうつぶせになって隠すとそう返した。
「…本当に可愛いな。わがままなんて、そんなの気にせずに聞けばいいだろ。大体返事を聞かない方が普通じゃないんだから。」
可愛いな、という言葉にこっちも顔を赤くしながら「うるさい。」と亮の頭を小突いた。
でもそうだよね。それが普通だもんね。
聞く権利はあるよね。
それがもしノーだったとしても…
ただわたしの気持ちを受け止めてくれただけで幸せだから。
…本当は想像しただけで悲しいしつらいけど。
「断られたら俺のところに来たらいいじゃん。」
そう軽々しく言う彼に「あのねえ!」と冗談半分で睨むと、亮は想像以上に真剣な眼差しでこちらを見ていたから、たまらず逸らして、「もう。」と呟いた。
「部活いかなきゃだから。ありがとね。」
なんとなくこの空気感に堪えられなくてそう勢い良く立ち上がると、足早に教室を後にした。

