あの日溺れた海は、


「なんかさ、こうやってどんどん大人になってっちゃうんだね、あたしたち。

ついこの間高校生になって、一週間前くらいに2年生になったような感覚なのになあ。」
 

そうしみじみと言う姫乃にわたしも「そうだね。」と呟いた。
 

 
「この用紙も提出期限金曜日までだしさ、来週には藤堂と面談も始まるんだろ?あっという間だよな。」
 

亮が紙をペラペラとさせながらそう言った。
 

「時の流れってこわ〜い。…あ、もう16時だ。かえろ〜っと。」
 

姫乃はそう言ってスタスタとドアへ向かっていった。
 

「亮くんも華も部活頑張ってね〜!」
 

意外とマイペースなんだか、ドライなんだか、あっさりとわたしたちを残して帰ってしまう姫乃に苦笑しながら「じゃあね。」と返した。
 

「じゃあ、わたしも…。」
 

そう言ってカバンを背負うと亮に「ちょっと待って」と引き留められた。


「ん?」と亮の方へ向き直ってそう答えると亮はじっとわたしを真剣な眼差しで見つめた。