「あっ、藤堂先生にケーキ食べてもらおうよ!」
その月の一声で藤堂先生は半ば強引に部室しばらくとどまることになった。
「先生とまともに話したの夏合宿以来かも。」
「だね。」
「わたしたち担当じゃないもんねえ。」
「懐かしい。」
「もう、5か月も前ですからね。」
そうぽつりと呟く先生の言葉にわたしももうそんな前かあ、と心の中でしみじみと思った。
先生に期待して、肩透かしを食らって泣き出して、気まぐれな先生の態度に悩まされて、そんな先生に恋をした。
突然赤ペン先生として、藤堂先生として、わたしの人生に入り込んできて、でも本当は知らないところで交わっていて、先生の優しさに触れて、わたしの人生を語るには欠かせない人となった。
わたしを救った人。そしてわたしの初恋の人。
少し離れて座る先生を見てなぜだか自然と笑みが溢れた。
好き。
先生をみつめるたび溢れるこの想い。早く伝えたいけど、今は…。

